「介護保険を利用したいけれど、まず何をすればいいの?」
「要介護認定ってどうやって受けるの?」
「要支援と要介護は何が違うの?」
このような疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
介護保険のサービスを利用するためには、原則としてまず**要支援・要介護認定(要介護認定)**を受ける必要があります。
要介護認定とは、本人が日常生活の中でどの程度介護や支援を必要としているのかを確認し、介護保険サービスを利用するための区分を決める仕組みです。
認定を受けることで、住宅改修や福祉用具、デイサービスなど、介護保険によるさまざまなサービスを利用できる可能性があります。
この記事では、要介護認定とは何なのか、申請から認定までの流れ、認定後に利用できるサービスについて分かりやすく解説します。
要介護認定とは?
要介護認定とは、
「その人にどの程度の介護や支援が必要なのか」
を判断するための仕組みです。
高齢になったから自動的に要介護認定を受けられるわけではありません。
日常生活の中で、
- 一人で歩くことが難しくなった
- 入浴に介助が必要になった
- トイレの動作に不安がある
- 家事が難しくなってきた
- 物忘れが増えて生活に支障が出ている
など、生活の中で支援や介護が必要になった場合に申請を検討します。
認定の結果によって、介護保険サービスを利用する際の区分が決まります。
要介護認定を受けられる人
介護保険を利用できる対象者は、基本的に年齢や加入している保険によって分けられます。
65歳以上の方
65歳以上の方は、介護や支援が必要になった場合に、要介護認定を申請できます。
40歳から64歳までの方
40歳から64歳までの方の場合は、特定の病気が原因で介護が必要になった場合など、条件があります。
そのため、該当するかどうか分からない場合は、市区町村の窓口などへ相談することが大切です。
要介護認定の区分
要介護認定には、大きく分けて
- 要支援1
- 要支援2
- 要介護1
- 要介護2
- 要介護3
- 要介護4
- 要介護5
という区分があります。
一般的には、数字が大きくなるほど介護を必要とする程度が高くなります。
ただし、
「要介護1だから必ずこの状態」
というように、単純に身体能力だけで判断されるわけではありません。
本人の日常生活の状況などをもとに、総合的に判断されます。
要支援と要介護の違い
要介護認定では、大きく
要支援
と
要介護
に分けられます。
要支援
日常生活の基本的な動作はある程度できるものの、今後介護が必要になる可能性があり、生活の中で支援が必要な状態です。
例えば、
- 家事の一部に支援が必要
- 歩行に不安がある
- 転倒予防のために支援が必要
などの場合があります。
要介護
日常生活を送るために、継続的な介護が必要な状態です。
例えば、
- 入浴に介助が必要
- 排泄に介助が必要
- 移動に介助が必要
- 日常生活に継続した支援が必要
といった場合があります。
ただし、実際の認定は一人ひとりの状況によって異なります。
要介護認定の申請から認定までの流れ
ここからは、実際の流れを見ていきましょう。
市区町村の窓口で申請する
まず、住んでいる市区町村の介護保険担当窓口などで要介護認定を申請します。
本人だけではなく、
- 家族
- 地域包括支援センター
- ケアマネジャー
などが申請を手伝ったり、代行したりできる場合もあります。
「本人が窓口まで行けないから申請できない」と考える必要はありません。
まずは相談してみることが大切です。
認定調査を受ける
申請後、本人の自宅などで認定調査が行われます。
認定調査では、本人の日常生活の状況について確認されます。
例えば、
- 歩行
- 立ち上がり
- 食事
- 排泄
- 入浴
- 着替え
- 認知機能
など、さまざまな項目について確認されます。
このとき重要なのは、
「できること」だけではなく「普段どのように生活しているか」
を正しく伝えることです。
普段はできないことでも、その日だけ無理をしてできてしまう場合があります。
そのため、家族が普段の生活状況を補足することも大切です。
主治医の意見書が作成される
要介護認定では、認定調査だけで判断されるわけではありません。
本人の身体状況や病気などについて、主治医による意見書も作成されます。
この意見書と認定調査の内容をもとに、その後の判定が行われます。
一次判定
認定調査の結果などをもとに、一次判定が行われます。
これは一定の基準に基づいて、介護に必要な度合いを判断するための段階です。
二次判定
一次判定の結果や主治医の意見書などをもとに、専門家による介護認定審査会で判定が行われます。
その結果をもとに、最終的な要介護度が決定されます。
認定結果が届く
最終的な認定結果が決まると、市区町村から通知が届きます。
結果によって、
- 要支援1
- 要支援2
- 要介護1〜5
- 非該当
などに分けられます。
認定結果が届いた後、本人の状態に合わせて利用するサービスを考えていきます。
要介護認定を受けると何ができる?
要介護認定を受けることで、さまざまな介護保険サービスを利用できる可能性があります。
代表的なものを紹介します。
住宅改修
自宅で安全に生活を続けるために、
- 手すりの設置
- 段差の解消
- 滑りにくい床材への変更
などを行える場合があります。
これまで紹介してきた、
トイレ・階段・廊下の手すり
なども、住宅改修と関係しています。
「介護保険でできる住宅改修一覧|対象工事を分かりやすく解説」
福祉用具
介護保険を利用して、身体状況に合わせた福祉用具をレンタルできる場合があります。
例えば、
- 車いす
- 介護ベッド
- 歩行器
- 手すり
などです。
ただし、利用できる福祉用具は認定区分や身体状況によって異なる場合があります。
「介護保険でレンタルできる福祉用具とは?」
デイサービス
デイサービスでは、日帰りで施設を利用し、
- 入浴
- 食事
- レクリエーション
- 機能訓練
などを受けられる場合があります。
家に閉じこもりがちな方にとって、他の人と交流する機会になることもあります。
訪問介護
ヘルパーが自宅を訪問し、日常生活を支援するサービスです。
例えば、
- 身体介護
- 生活援助
などがあります。
本人の生活状況に合わせてサービスを利用します。
認定を受けた後は誰に相談する?
認定結果が出た後、
「何のサービスを利用すればいいの?」
と迷う方も多いと思います。
その場合は、介護保険の専門家へ相談することが大切です。
要介護の場合
基本的には、ケアマネジャーに相談します。
ケアマネジャーは、本人や家族の状況を確認し、必要な介護サービスを組み合わせたケアプランを作成します。
要支援の場合
地域包括支援センターなどが相談窓口になる場合があります。
本人ができるだけ自立した生活を続けられるよう、必要な支援を考えていきます。
要介護認定を申請するタイミング
「まだ申請するほどではないかもしれない」
と迷う方もいるでしょう。
しかし、次のような変化がある場合は、一度相談してみることをおすすめします。
- 転倒することが増えた
- 歩行が不安定になった
- 一人で入浴するのが難しい
- トイレの動作に不安がある
- 家事が難しくなってきた
- 家族の介護負担が増えている
- 手すりや福祉用具が必要になってきた
特に、自宅内での転倒が増えている場合には、身体だけではなく住環境も見直す必要があります。
転倒してからではなく「転倒する前」に相談する
これまでの記事でも繰り返しお伝えしてきましたが、住環境の整備は非常に重要です。
例えば、
「トイレで立ち上がるときに毎回ふらつく」
「階段を下りるのが怖い」
「廊下で壁に手をついて歩いている」
このような状態が続いている場合、転倒するリスクが高くなっている可能性があります。
実際に転倒して大きなけがをしてから環境を整えるのではなく、早めに相談し、必要なサービスや住宅改修を検討することが大切です。
介護保険は、
「介護が必要になってから使うもの」
というイメージを持っている方もいますが、状態によっては、生活を安全に続けるための支援につながる場合もあります。
要介護認定に関するよくある質問
Q. 申請したら必ず認定されますか?
必ず認定されるわけではありません。
認定調査や主治医の意見書などをもとに判定されます。
結果によっては「非該当」となる場合もあります。
Q. 認定までどのくらいかかりますか?
申請から認定結果が出るまでには一定の期間がかかります。
状況によって異なるため、詳しくは申請する市区町村へ確認しましょう。
Q. 家族が代わりに申請できますか?
本人や家族だけでなく、地域包括支援センターなどへ相談できる場合があります。
本人が手続きに不安がある場合は、一人で抱え込まず相談しましょう。
Q. 要介護認定を受けたら必ずサービスを利用しなければいけませんか?
認定を受けたからといって、必ずすべてのサービスを利用するわけではありません。
本人の生活状況や必要性に合わせて、利用するサービスを検討します。
まとめ
要介護認定とは、本人がどの程度介護や支援を必要としているのかを判断し、介護保険サービスを利用するための大切な仕組みです。
基本的な流れは、

となります。
認定を受けることで、
- 住宅改修
- 福祉用具
- 訪問介護
- デイサービス
など、本人の生活を支えるサービスを利用できる可能性があります。
特に、高齢者が住み慣れた自宅で生活を続けるためには、身体状況だけではなく、住宅環境を整えることも重要です。
手すりや段差解消、福祉用具などを適切に活用することで、転倒リスクを減らし、より安心して生活できる環境につながります。
まずは、
「最近、以前より生活が大変になってきた」
と感じたタイミングで、早めに地域包括支援センターや市区町村へ相談してみましょう。



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